「うわぁでっかい…」
大きな森を出た時、目の前に広がったのは海と、砂浜に大きな岩があってその岩にぶつかっているように大きな海賊船があった

「レイはそこのベッドに寝ておきな」
私達は海賊船の医務室にきた。
リカさんは私は水とか色々汲んでくるからと言って医務室を出ていき、私達は二人だけになった。
もう、レイと別れる時は目の前だ
私はなんともいえない寂しさに襲われた
「離れたくない…」
私は一緒にベッドに座っているレイの服の裾を少し引っ張った
こんな事言うのは恥ずかしさもあったけど、それ以上に離れたくないと思った
「クロエ…」
するとレイは、ゆっくりと私を抱きしめてくれた。私はこれが最後なんだと思うと苦しかった。
「大丈夫。また会えるよ」
私は、また会えると、そんなもう叶わない儚い言葉を少しでも信じたくて
「うん」
と言った。
「僕が現実に帰ったらクロエを探すよ」
「うん」
「話し屋のクロエはどこですかって会う人会う人に聞いてクロエを見つけだすよ」
「うん」
「そしたらクロエ、僕と一緒にいてくれる?」
レイは体を離して私の手にそっと手を添えた
「いいよ」
私の頬にはひとすじの涙が通った。それをごまかすように私は笑う
「じゃあクロエはちゃんと夢を叶えてね」
レイは私の涙を人差し指ですくった
「約束」
私達はゆびきりをした。守れない約束。それでもそんな守れない未来を叶えたくて私達は小指と小指を重ねた。