「ん…」
あれ…寝てたのか…
私は、心地よくてもう少し寝ていたいと思ってしまい、目は閉じたまま、また寝ようか…と考えていた頃だった。
いやいや、電車の中なんだから早く起きなければ、降り遅れたらどうするの、と自分にいいつけ、目をギュッとし、眠気を吹っ飛ばしてからゆっくりと、目を開けた。



「ん?」




私が目を覚ました場所は電車ではなく、目の前に広がるのは、日光が降り注ぐ森の中のような見知らぬ所で、子供達が遊んでいた。
私は、その森の中のようなところの家の陰のあたるところにあるベンチのようなものに座っていて、電車は…?と頭が混乱中だった。
「ここ…どこ…?」
私が発した声に気づいたのか、ずっと遊んでいた1人の赤毛の子がこっちに振り向く、するとその子は嬉しそうな顔で
「あーっ!!」
と、私を指さして
「女の子のお姉ちゃん起きたよ!!」
と一緒に遊んでいた子達に伝えるように大声で言った。するとその子達はおぉーと言いながら私に寄ってきた。その赤毛の子は、「私、レイ兄ちゃんに言ってくるー!」と元気よく私の後ろにある二戸建てぐらいの大きな家へと入っていった。
「すごーい金髪で青色の眼だー…」
と他の子達は、私の髪の毛と目をまじまじと見てくる。
「青色の眼ってレイ兄ちゃんと同じだねぇー」
「だねぇ〜」
子供は好きだ。だけどこうも大勢に見つめられたら私も緊張してしまう。
「ここって、皆、何処かわかる…?」
とぎこちない感じで私は子供達に問いかけてみる。すると、


「体は大丈夫?」


私は声がした家のドアのほうに顔を向けた。

白銀の髪と碧い眼…
そこにはさっきの赤毛の子供と、すらっと隣に立っている色白でサラサラしてそうな白銀の髪の毛と大きな透き通る碧色の瞳をした、何故かエプロンをした青少年が居た。
その青少年を言葉で言うなら「綺麗」という言葉しかないだろう。それほどその青少年に私はみとれていた。
「…?もしかして声がでないのかな…」
ずっとみとれてて黙ったままだった私は、ハッと我に返る。
「あの…すみません。ここは何処ですか…?」
するとその人は、笑ってはいないけれどすこし優しい顔になった
「良かった。喋れるんだね。ここは、『夢の続き』っていう別世界だよ」
…ん?
「別、世界…?」
私はえぇっと…と、この人は何言ってるんだろうと思った
「簡単にいうと君は今まで生きてきた現実の世界とは違う別世界にきたんだ。信じられないよね。けど本当なんだ。ここには帰る家も、家族も友達もいない」
どうやらこの人は外見とは似合わない中身は冗談を言う人らしい。
今まで生きてきた世界と違う…?ん…?私はまだ夢の中なのか…?
「皆、お腹すいたでしょ。ご飯できたよ」
その人は子供達に言いながらエプロンを外した。
「わーい!!やった!」
すると子供達は皆、わー!と家の中へと入っていった。
「僕はレイ。名前はなんていうの。」
レイというその青少年は私を見た
「ク、クロエ…」
私は、その人の見つめてくる眼差しを少し怖く感じた。