本当に思ってるんだろうか。 もしかしたらまた呑気に空でも見上げてるのかもしれない。 「バイト中は話しかけても無視するからな。シヅキはちゃんとこれからのこと考えておいてくれよ」 「分かった。遠くから見てるだけにする」 「これからのこと考えておけよ」 最後の方の語尾を強めて念を押す。 「うん、その代わりバイトが終わったらまたあの丘に行きたいな」 「いいよ」 シヅキが言わなくても行くつもりだ。 あの坂道を登ったらそこに寄るのは俺の習慣なんだ。