歩いていると反対側…私の家の方から

“あの人”が歩いてきてた。

その人の右手にはしっかりと

彼女の手が繋がれてた。

前は見ることが出来なかったけど

今はなんとなくちゃんと見ることが出来た

谷口翔がいるからだろうか。

私は谷口翔が好きなんだろうか。

「あ!円香!」

「優希と美紅」

「久しぶりだな!
って言うか彼氏?」

「いや…「そうだよ。」

否定しようとした。

でも谷口翔はそれを許さなかった。

そんでもって私の前に立ちはだかって

私は今、谷口翔の背中しか見えない。