愛、ですか…?

ごめんね。

田村くんのこと傷付けたかった

わけじゃないんだけどね。

それよりも自分が傷つくのが嫌だったの。

「なぁ、」

「なに」

気づいたら谷口翔にしっかりと

手を繋がれていた。

連れ出した時みたいに手首を

掴んだみたいじゃなくて

ちゃんと。ちゃんと握ってくれていた。

「家、どこ?」

「○○駅の南口」

「わかった。」

…やっぱり私といる時の谷口翔は

笑ってない。