打っては消し

また打っては消して

何通もの貴方への手紙を綴りました。

_ お日柄もよく、、、元気にしていまs

グシャリ , ポイッ ...

「 違う , こうじゃないんだよ ... ハァ 何通目だっけ ... 」

もう50通以上書いたであろう手は 、 鉛筆の鉛により黒く汚れていて , それを見れば 溜息をつき

「 バチンッ , 痛ッ ~~ ... 今度こそ , 絶対 書き通す ッ ! 」

置いた鉛筆に手を伸ばし 全神経を集中させ 書き綴る、、、

「 ...... 出来たッ ! これで ッ 、 君に渡せるッ ! 」

ついに書き終わった文を封に入れると、身体から力が抜け手も震えている , それほど集中したのか 、、、

「 今 、渡しに行くよ ... これで 終わらすから 」

椅子から立ち上がると外出用の服に身を通し、準備を済ませ 外に出る

その時の空は 、
君と出会った日と そっくりで 辛くて
唇を噛み締め乍 君の元へ 歩みを進めた

「 久しぶり ... 元気だった ? 僕は元気だったよ ... 」

君の前 に 着き ありきたりな話を 少々すれば
手を合わせる , そして 水を掛けて 綺麗に掃除をする

「 今日は 、僕なりのケジメをつけに来た ... 手紙なんだけど ... 頑張って書いたんだ , 君への思いを全部綴ったよ 、 全部全部 ... ッ 君に 伝えたかった事を ... 」

上手く笑えているだろうか、いや 笑えていないな ,
目から溢れる液体を拭うこともせず, 声を振り絞って 言った ,

_ 君のことが好きだったッ , 君が居なくなってもッ ! _

君が眠る 冷たく硬い石に 額を乗せ 嗚咽を漏らした ,
君は 眠る前に " 忘れて " と 言ったけど...

僕は忘れたくない ,
僕の傍で いつも笑っていた ,
最初で最後の初恋の人 ,
これからも好きでいさせてね ?

―― END ――