キーンコーンカーンコーン。
予鈴が鳴り、担任の石田先生が教室に入ってきた。
「HR始めるぞー」
出欠簿を持ち、颯爽と歩いてきた先生の姿に、思わず心臓が跳ねた。
「今日は、このクラスの学級委員を決めようと思う。誰かやってくれる人は…」
先生がそう言うと同時に、川本くんが手をあけだ。
眼鏡をかけている、いかにも真面目な男子だ。
「１人目は川本…と。あと１人、誰かやってくれる人いないかな…？」
先生が教室中を見回す。
「…先生、私やります！」
自分でも驚いているが、手をあげてしまった。
「お、土田やってくれる？」
「は、はい」
先生は笑みを浮かべながら私の名前を記入すると、机に手をつき言った。
「じゃあ、２人ともよろしく！ １時間目の数学は、さっそく先生の授業だからよろしく」
先生はニカッと笑い、出欠をとってから教室を後にした。