真っ白な世界に取り残された小さな子供達。
その姿はあの日の俺たちとよく似ていた___



「栄人(えいと)、起きて」



ふと、聞き慣れた声が聞こえて目を開ければ
さっきと同じ、真っ白な天井が広がっていたが俺の傍にいるのは
あの頃よりもずっと表情が豊かになった詩(しおり)だった。



「ごめん、遅れた」



時計を見て時間を確認した後、そう応えれば詩は首を振り



「珍しいね、栄人が寝坊なんて」



なんて微笑みと共に言葉を返し、ふわりと身を翻して部屋を出ていった。
ついこの間8月が終わったばかりだというのに未だに残暑が残っていて蒸し暑い。
Tシャツを脱いだ後、相変わらず攻撃的な光を浴びせる太陽を恨めしげに見上げて
ため息をひとつついたのだった。