「……なんで名字で呼ぶの? いつもは下の名前で呼んでるくせに」 「……だってほら、この関係も もうすぐ終わりだし」 __そう言った彼は なんだかやけに、嬉しそうだ。 「……そんなに嬉しいんだ…。」 「…うっせぇ、早く行くぞ。 市役所しまっちゃう」 そう言って、彼はズンズン歩き始める。 「あ、ちょっと…!」 そんな陽太を追いかけて、私は隣に並んだ。