「ふざけんな。メッセージも無視しやがって」
耳元で呟かれる言葉たちにあたしの心臓はいちいち反応してしまう。
「離してよ…っ!」
このままじゃ、ほんとに諦められなくなる…と思って離れようと体をよじっても男の子の力には叶わない。
それどころか、望夢は抱きしめる力を強めた。
「無理」
「無理って…」
「それになんだよ、本命って?チョコレートって?
勝手に一人で決めつけてんじゃねぇよ」
「…何がよ!」
もう、分かんないよ。
キミの気持ちが。
あたしのことなんて何とも思ってないんじゃないの?
でも…たった一つ、分かるのは彼の鼓動もあたしと同じぐらい速く動いているということだけ。



