【一華side】




「…中学校、79期生…退場。」



ついに、きてしまった。


あたしが二つのものから卒業する日が。


あれから、望夢とは一言も話していない。

メッセージが来ていたけど無視した。
とても、話せるような状態じゃなかったから。


どうせ、あたしがいなくなってせいせいするんでしょ?


なら、メッセージなんて送ってこないでよ。



卒業式では泣かないというのはあたしには
無理なことで色んなことを思い出して泣いてしまった。


でも、その思い出のほとんどに望夢という男の子がいたんだ。


あたしの中でキミはいつでも大きな存在だったんだよ。



セーラー服の袖で涙を拭いながら、


さっき渡された卒業証書を手に体育館から退場した。







─────…ありがとう、中学校。


心の中で三年間ほぼ過ごしてた場所にお礼を言った。