りっちゃんは朝弱いくせに、いっぺん目が覚めると支度は割と早い。 ちゃっちゃかと着替えを済ませ、朝ごはんは食べずに歯磨きをして、 ほとんど置き勉しているせいでスカスカの軽い学校指定リュックを背負い、 お気に入りの腕時計をつける。 そして、どれだけ遅刻ギリギリでもこれだけは忘れん。 「父さんいってきます」 りっちゃんは居間の仏壇の前に膝を着くと、お鈴をチーンと鳴らして、りっちゃんのお父さんの遺影に手を合わせる。 りっちゃんのこの習慣は、すずたちが出逢った時からずっと続いちょる。