俺を好きになってよ。

麻衣子がワガママみたいに聞こえるかもしれないけど、ちゃんといい子だよ。

気が利く子で。
誰にでも平等に接してて。
天然だけどとても優しい女の子。


でもそれが裏目に出てたりするのだ。

中学の頃に麻衣子はいじめにあっていた。

いじめと言っても陰口を言われたり机に落書きをされたりとか、そういうのですめばよかったのに。

ひどくなる一方で。

私はそれを見過ごそうとはしなかった。

というか、そういうのが昔から嫌いだった。

『こんな事していいって思ってるの?あんた達は妬んでるだけなんだよ。下らないことしている暇があったら麻衣子みたいな可愛くて優しい女の子になれば?』

その言葉が火に油をそそいじゃって。
それから取っ組み合いの嵐。

先生が来なかったら多分取っ組み合いじゃ済まなかったのかも。

だからといって麻衣子のいじめは無くなるものじゃなくて。

まぁ、もちろん私までいじめの標的になったわけだけど。

別にそれでよかった。

それだけ麻衣子といたかったから。




麻衣子は親友だから。








「じゃあ、協力してあげよっか?」

「……え?」

協力?
何をするの?

「まぁ、お楽しみで」

ニカッと満面の笑みで笑う南。
一瞬、ドキっとした気がするけど、気がするだけだった。

そのまま南は他の女の子に呼ばれて
どこかに消え去っていって。

「どういうこと?」


南の目的が分からなかったのだ。