廊下は凄く人がいっぱいで、その波にのまれそうだった。

…手を繋いでいて良かったかも。


私の手を引く南を見る。


好きな人がこんなにも近くにいるだけで幸せを感じるなんて…。




私はよっしーが好き。
南は麻衣子が好き。


最初はお互い好きな人がいた。


それから2人の目を引くため付き合うフリをしたんだっけ…。


「りっちゃん、この店はいろ?」

「うん!」

入ったお店は写真撮影をしてもらえるお店だった。

私と南は隣に並び、写真を撮ってもらった。


「…ふっ…りっちゃん笑顔硬すぎ…」

「っ、しょーがないでしょ!恥ずかしいんだから!」

「大丈夫、可愛いから!……ぷっ」

「おいこら、今笑ったでしょ」


付き合うだけであんなに嫌がらせを受けるなんて思ってもみなかった。

最近のようで遠い記憶みたいだな…。

でも、必ず南は来てくれて。

必ずそばにいてくれて。




そんな南に私は恋したんだ。