「俺が言ったこと忘れたの?」
「え…?」
言ったことって…?
「俺が守る。どんな時も駆けつけるから……って」
何それ……
覚えてるに決まってんじゃん。
「りっちゃん俺ね、奈那と別れたんだー」
「え…何で…」
「好きな子が出来たから…いや、前から好きな子がいるんだ」
「そう…なの?」
御守先輩が好きなんじゃないの…?
好きな子がいて、なのに御守先輩と付き合ってたってこと?
ん?よく分からなくなってきたぞ?
「その子さ、可愛くて強気で友達思いでさー。でも、本当は弱くて……しっかり守ってやりたかったのに、たくさん傷つけちゃって」
「……最低じゃん…」
だからタラシは…。
「はは、本当最低だよねー」
その話をしていると出口が見えてきた。
出口を通り過ぎると南が私をおろした。
それと同時に御守先輩の姿が目に入る。
「あら、無事だったのね!」
「無事だったのねじゃないですよ!私のこと騙したんですか!?」
「何人聞きの悪いことを!私はただ手伝ってあげたのよ!」
「はい?」
「それじゃ2人ともさよなら!」
ちょ、何だったんですか!?
やっぱりあの先輩は悪魔だ!!!!
「あ…そう言えば南仕事は?」
「休憩もらった!」
「そっか…」
てことは南は…
「その好きな子とまわってこなくていいの?」
南は私の言葉に顔をしかめる。
何か悪いこと言ったかな…?
あ、余計なお世話だったかな!?
「ごめん、私邪魔しちゃうよね!じゃあ楽しんできて!」
多分その子と待ち合わせしてると思うし、私はぶらぶらしてよーっと!
って思ったのに、ガッチリ腕を掴まれてる。

