「そうですか。それでは」
「最後まで話を聞いて!!…それでね、お願いがあるんだけど…」
まって、これ嫌な予感しかしないのは気のせい?
「日高さん…探してきてくれない…?」
「はい?」
「私、視力弱くて…。しかも暗いところ苦手で…」
「なら何でお化け屋敷入ったんですか!?」
テヘペロって顔されてもこまるんですけど!!!
私も暗い所苦手なのに無理だってば!!!
「すみません先輩。私…」
「お願い…!日高さんの力が必要なの!」
「…うぐ…」
そう言われても…。
「…分かりました。行ってきます」
「…本当に!?ありがとう、日高さん!」
「それで、大事な物って?」
「…南から貰った、指輪…」
そんな大事な物を落としちゃうなんて…。
必ず見つけなきゃ。
「分かりました。行ってくるんでここで待っててください」
「分かったわ!まってる!」
大丈夫。
怖くない。
お化け屋敷なんて人参畑だと思えばいいのよ!!!
私はこの時気づかなかった。
御守先輩の手に指輪がはめてあったことを…。

