「私ね、どうしてあんな子が好きなのか不思議だった。あの子が憎かった」
「……」
「でも、好かれる理由分かったかもしれない。……あの子は相手のことをしっかり見てる。真っ直ぐで…私、そういう所が羨ましかったのかも」
「…よく見てんじゃん」
「うっさい！…正直まだ納得出来ないけど…南がそれだけ思ってるならしょうがないよね…」
「奈那…」
奈那は微笑んだ。
その微笑みは冷たくなく、とても暖かかった。
「だから、頑張って！」
「奈那…ごめん…」
「いいのよ！…あ、でも最後に一つだけ」
「ん？何？」
「一つだけ日高さんに意地悪していい？」
倒れるかと思った。
何を言い出すんだと思ったら、こいつまだ懲りてねぇのか…！
「あ、大丈夫よ？痛い事じゃないから！」
「いや、それでもやめろよ…」
「だから大丈夫だって！2人の距離が縮まるだけだから！」
「はぁ？」
奈那なにを考えてるんだ？
「告白は文化祭の日にするの？」
「あー…多分」
「ふーん。なら大丈夫ね！」
「だから何が！？」
さっきから何を企んでるんだ！？
やっぱり最後まで奈那が考えてることが分からなかった。
