(南side)
『私…南が好きだったよ』
りっちゃんの言葉がリピートされる。
一瞬、心臓が止まったかと思った。
りっちゃんが…俺を好き?
そんなはずが…
佐伯が好きなんじゃ…
『最初はこんな奴ただの馬鹿だなって思ってた。でも誰よりも優しくて…頼れる存在で…いつの間にか好きになってた』
まって、頭が言葉に追いつかない。
混乱してる。
驚いてる。
え?
『こんなに好きになったの……南が初めてだよ』
嘘でしょ…?
『りっちゃ…』
『私、南と先輩の事応援するから。…だから幸せになってね…』
そう言ってりっちゃんは俺に微笑みかけ、校舎に戻って行く。
待って…行くな…
行かないでくれ。
俺も好きなんだ__
そう言いたかったのに。
君はもういない。
俺は人生で一番後悔した。

