零度の華 Ⅰ



『さっきから言っているだろ?やってみろって。あたし、別にソイツのことどうも思ってないし』


この男に誰かを殺すことなんてできやしない



『そんなことするより、あたしにそのナイフ向けた方がいいんじゃない?そんな脅しがあたしに通用しないのだから。寧ろ、お前を殺すかもな』



笑いかけながらそう言うと、愛川から離れあたしにナイフを向けて走ってきた


ニッと怪しい笑顔を見せると、ナイフを躱す


本当、単純な奴


その後、振り返りナイフ振り回す男の腕をとりそのまま背負い投げる


あたしは再びナイフを回収し、谷口を見た


「お前、何者だ。普通の女じゃねぇだろ?」


驚きを隠し冷静に対応をしているが、隠しきれてない