零度の華 Ⅰ




コイツの名前は乱鬼の総長の谷口-タニグチ-という男

谷口は愛川にナイフを突きつける



「大人しくしろ。悪いようにはしない。抵抗しなければ、だけどな」



そう言って怪しい笑みを浮かべると谷口の後ろから3人の男たちが現れた


そいつらもナイフを持っていて身動きの取れないように首もとに、それをあてる



あたし達は促されるままに幹部室から出る


目の前で繰り広がるのは喧嘩の嵐といったところか



有利なのは光華側


それを予測した乱鬼は姫という存在に目をつけた


正統派で正義感の強い光華のことだ


姫を人質にとることで動きは止まる

傷つけたくないために



でも、相手の誤算はあたしの存在だろう


相手は姫が二人いると思っているみたいだ





愛川と一緒にいたんだ、そう思われても無理はない