零度の華 Ⅰ



あたしは言われた通り愛川を連れて幹部室へと入った


幹部室には防音対策が成されているのか、バイクの音までは察知できるが、話し声は全くといっていいほど聞こえない




「皆、大丈夫かな...........」



心配症の愛川は同じ言葉を繰り返し言う



『アンタが信じないでどうする?アイツ等ってそんなに弱いのか?』



あたしの問いかけに力強く「違う」と否定をした



「皆は大丈夫!強いもの!!」



急に元気になる愛川、単純な奴だな

そんなこと思っていると幹部室のドアが開きかける


梟達だと勘違いをした愛川は走ってドアへと進むが姿を確認した瞬間、絶望へと落とされた表情に一瞬で変わった





そこには知らない男が、立っているからだ