零度の華 Ⅰ



新井という男は女ということで先を譲る

遠慮なく先に攻撃を仕掛ける


様子見と相手にこのスピードが限界ということを認識させるため、スピードは遅めに振う


案の定、相手は余裕の笑みを見せて御託を並べ始めた



「女に比べたらスピードは速いが、口ほどにもねぇな。俺たちを舐めているからイタイ目に合うことになるんだよ!!」


これは鮫島と同じパターンだ



一発で終わらせるつもりなのか、拳に力を入れあたしの鳩尾を狙ってきた


あたしはそれをギリギリのところで避けると、新井の驚く顔が見えた



『なんだ?そんなに避けることが珍しいか?』



再びあたしに向けられた拳が飛んでこようとしたとき


バイクの集団がこちらに来ている音が聞こえた


チッ、いいところだったのに



「中断だ。戦闘態勢に入れ。ランと雨月は幹部室へ入れ」



梟の言葉で場の雰囲気がガラリと変わる