零度の華 Ⅰ






手薄だった警備のため、無駄な労力を使わずに済んだ

あたしはそっと殺し、社長の上にカードを添える



カードは黒の紙に白の文字、そしてそこには〈零〉と書かれてある


これがあたしだと示す物

紛れもなくあたしがコイツを殺したと主張する


少しの間、死んだ男の顔を見た

あまり、のんびりできないあたしは急いで家を出て、次の目的地へと向かう




次は風雷という族だ

さっきは楽しむなんてできなかったから、楽しむといこうか



ガシャーンと音を立てて倉庫のシャッターは飛んでいった



「誰だ‼︎」


「てめぇー、俺達に何の用だ⁉︎」