烏(クロウ)は動じず運転を続ける
"情"だって?
そんなもの昔からあたしには持ち合わせていないものだ
今更、移ることなんてあるかよ
それに、あたしにとって警察は"敵"ではなく"玩具"だ
あたしは烏(クロウ)の方に顔を向けた
『玩具に対して情が移るわけないだろ。それに塩を送ったんじゃない、釘を送ったつもりだ』
「釘、ですか?」
『あぁ、身の危険を感じろとな。まぁ、アイツ等にはお節介だったがな』
あたしは再び、外へと視線を移す
最後まであたしの玩具であってくれよ、鷹見
じゃないと、ここまでやった意味がないからな
「それにしても、テレビ放送なんて大胆なことをよくしましたね。あれでは警察だけではなく全国の殺し屋が貴女を狙ってきますよ」
『もともと狙われの身だ、今更身の危険を感じることはない。それにこれを流したのは日本だけじゃないぞ』
烏(クロウ)はあたしの言葉に耳を疑っている



