零度の華 Ⅰ




<初めまして、皆さん。零(ゼロ)です。

これを流してくださったテレビ局の皆様、本当に感謝します。

何故、このようなことをしたのかというと、アナタ方に伝えたいことがいくつかあったからです。

......と、まぁ、畏まるのはここまでにして、話す前に1つだけ言っておく。

このDVD見ないと損だぞ>




口元だけ笑みを浮かべる画面の中のあたしを見て、鷹見は下唇を噛んでいた



「鷹見警部!今すぐテレビ局へ行き中止させましょう!!」


「ダメだ」


「どうしてですか!?」




あたしは部下とのやり取りを見る


「奴は全国同時に同じものを流している。ここで中止させてしまえば、そのテレビ局がターゲットとなり、零(ゼロ)の被害者となるぞ」


「全国なんて、ただのハッタリのすぎませんよ!」


「いや、あいつは絶対やる奴だ。チャンネルを変えても同じものがやってるはずだ」




ほう、あたしのこと分かっているじゃねぇか


だてにあたしと鬼ごっこをしているわけじゃないな