零度の華 Ⅰ




荷物検査に身体検査、くまなく調べられた


鷹見のところへ案内される前にトイレに入った


烏(クロウ)もあたしについてきた



誰もいないことを確認し、少し作業をする




「驚きました。ぎ......」


『それ以上、口開くな』




烏(クロウ)の言葉を遮る




ここは敵の腹の中


下手に口を滑らせたり、怪しい動きをすればすぐにバレてしまう




『聞きたいことは後で答える』




そう言ってトイレを出た


再び女に案内されること3分


ようやく鷹見のところへと着いた





「鷹見警部、FBIの須藤-スドウ-様と佐藤-サトウ-様が渡したいものがあるそうです」


「FBIの方が俺に?」


『お会いできて光栄です』


「こちらこそ」



軽い挨拶を交わす



どうやら、FBIの捜査官と思い込んでいるようだ


手帳を見せ、確認させたのち本題に入った