零度の華 Ⅰ



「まさか、警察に混じるおつもりですか?」


『そのまさかだ。手はすでに打ってある。捕まるのが怖いのならついてくることはない』


「いえ。何を目的として警察に混ざるのか知りたいのでついて行きます」




烏(クロウ)は殆どあたしと行動を共にしている


あたしの観察をし、影武者としてよりあたしに近づけるためだろう




熱心にやっているよ



本当、傍に置いて正解だった





烏(クロウ)とあたしはスーツを身に纏い、すでに変装している



あたし達は堂々と警視庁に入り、受付まで真っ直ぐ進んでいく




『今すぐ鷹見警部に渡したいものがあるんだが、どこにいるんだ?』


「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」



あたしは胸ポケットからある物を取り出し、その受付の女に見せる






「大変、申し訳ございませんがすぐにとはお通しすることができません。検査を受けてもらいます」


『手短に頼む』




女に誘導されるがままに検査を受ける