零度の華 Ⅰ




あたしは一気に片付けていく


先程とは比べものにならない速さで殺していく




「バ、バケモノ」



スピードを上げて15分で残り1人だけとなった



「ち、近づくな!」




一歩一歩、ソイツに近づく


あたしを見ては恐怖し戦闘できる精神状態じゃない




『バケモノは人間(ヒト)が抱く恐怖を幻影にしているだけだ。俺はお前と同じ人間(ヒト)だぞ?』


怯え、尻餅をついているソイツを見下す

そんなに恐怖することだろうか?



このくらい殺るのは普通と思うがコイツにとっては普通ではないようだ



『恐怖をすることは悪いことじゃない。人間である証だからな』


「や、やめろー!」




グサッ




辺りは見るも無惨な有り様だ




残酷か惨思のあたしは何の感情も生まれない




『鉄臭い』



大量の血が流れているこの場では血の臭いが鼻にくる



それに、自分自身からも臭う


血の臭いで鼻が利かなくなりそうなので、この場を去る