零度の華 Ⅰ


『じゃあ、本題に入るか。梟組を出た理由は仕事だな。昨日、一昨日とも』


「何の仕事だ?」


『あたしがする仕事なんて1つしかないだろ』




情報屋の仕事と言えば、相手に情報を渡すこと


ICE(アイス)であるあたしが情報を渡す相手は零(ゼロ)となる




「零(ゼロ)に後藤組の情報を教えたのか?」


『教えた。でも、会ってはいない。やり取りは電話かメールだ』


「情報を教えるのに会わないのか?会ったことは一度もないのか?」




鷹見が食いついてくる


どんな些細なことでも零(ゼロ)の情報が欲しいから


情報は得たはずだろうに、まだ何か知りたいのか?

強欲な男だ



『会ったことはもちろんあるが、顔なんて見たことねぇよ。それに一度だけだしな。秘密主義だしあたしも干渉しない。だから驚いたよ。零(ゼロ)の人物像が挙げられたことに』




誰も何も知りえなかった零(ゼロ)について突然、人物像が分かるまで知られることとなった