零度の華 Ⅰ



蘭が捨てられずに、あの女が育てるのも蘭が他より少し優れているから

でなければとっくの前に捨てて、施設に足を運び、優秀な子供を選んでいただろう


そんな奴が娘を暴走族に入れたのかは疑問に残るが、あたしの知ったことではない




『あたしは今が楽しい。愛川は人を疑うことを覚えろ。人は汚れてて醜い生き物なんだ』


「おい」



今まで口を開くことのなかった鮫島がここに来て口を開く



愛川が絡んでくると必ず鮫島が入ってくる


分かりやすい奴だな



『何だ?』


「全部とは限らない。少なくとも俺達は違うからな」




弁解をして何になる

誰もが必ずと言っていいほど、ドス黒い感情が生まれるんだ




鮫島は一度や二度あるだろうそれを否定したいだけ




『違う.......ね。それは自分の心に聞くべきだな。話が反れたな。愛川、諦めてくれる?』



微量の殺気を含めたその言葉に、愛川が否定するはずがない



「わ、わかった」


少し怯えたその声に対して、あたしは満面の笑みを向けて礼を言う