蘭が捨てられずに、あの女が育てるのも蘭が他より少し優れているから
でなければとっくの前に捨てて、施設に足を運び、優秀な子供を選んでいただろう
そんな奴が娘を暴走族に入れたのかは疑問に残るが、あたしの知ったことではない
『あたしは今が楽しい。愛川は人を疑うことを覚えろ。人は汚れてて醜い生き物なんだ』
「おい」
今まで口を開くことのなかった鮫島がここに来て口を開く
愛川が絡んでくると必ず鮫島が入ってくる
分かりやすい奴だな
『何だ?』
「全部とは限らない。少なくとも俺達は違うからな」
弁解をして何になる
誰もが必ずと言っていいほど、ドス黒い感情が生まれるんだ
鮫島は一度や二度あるだろうそれを否定したいだけ
『違う.......ね。それは自分の心に聞くべきだな。話が反れたな。愛川、諦めてくれる?』
微量の殺気を含めたその言葉に、愛川が否定するはずがない
「わ、わかった」
少し怯えたその声に対して、あたしは満面の笑みを向けて礼を言う



