零度の華 Ⅰ



フードを被り家を出る


行く当てもないから適当に歩く



30分も歩いて何もない

それが当たり前でいいことではあるだろうが、あたしにとってはつまらない



あたしは1時間以上歩き、今は使われてなさそうな倉庫へ足を踏み入れた




ここは殺しに使えそうだな、と思っていると人の気配を感じる




「久しぶりの客人だな」



声の主は上からする

見上げると2階からあたしを見下ろしていた




雰囲気ですぐに分かった、コイツはあたしと同種だと



そいつは2階からあたしのいる1階に飛び降りてきた




「よっと。こんばんは。どんな死に方を希望する?」


『は?』


「は?ってもしかして君、何も知らずにここに来たの?」


『あぁ、俺はただ散歩で来ただけだ』


「……これは珍しい客人だ」




フードで顔が隠れているため、表情は良く見えないが、不気味に笑っていると声色でわかる




あたしもフードを被っているため、お互い顔が見えない