零度の華 Ⅰ




1人は放心状態


独り言を言い続けているようだ



『手放すのは勿体なかったな。あたしの場合、髪と目の色が変っただけだ。普通の子と何ら変わらない』


愛川菫の様子を見れば、これ以上何かを話しても耳を通り抜けていく一方だと判断した

あたしは愛川菫に近づく


驚き、体を震わせる


『捨ててくれてありがとう』


満面の笑みを込めていい、背を向けた



「サ、サクラ!!」


振り返り睨む



『二重人格なんて全くの嘘だ。二度とその汚らわしい名で呼ぶな』




再び背を向け、家を去った


自分を取り乱したことに違和感を覚えた


普段、あんなに喋ることはない



演技でもなく感情的になるとは、らしくないことをした





「おい」


後ろから声をかけられ足を止め振り返ると、そこには梟がいた


梟の気配に気づいかない時点で、今の自分は自分ではないと思う




チッ、やるせない