1人は放心状態
独り言を言い続けているようだ
『手放すのは勿体なかったな。あたしの場合、髪と目の色が変っただけだ。普通の子と何ら変わらない』
愛川菫の様子を見れば、これ以上何かを話しても耳を通り抜けていく一方だと判断した
あたしは愛川菫に近づく
驚き、体を震わせる
『捨ててくれてありがとう』
満面の笑みを込めていい、背を向けた
「サ、サクラ!!」
振り返り睨む
『二重人格なんて全くの嘘だ。二度とその汚らわしい名で呼ぶな』
再び背を向け、家を去った
自分を取り乱したことに違和感を覚えた
普段、あんなに喋ることはない
演技でもなく感情的になるとは、らしくないことをした
「おい」
後ろから声をかけられ足を止め振り返ると、そこには梟がいた
梟の気配に気づいかない時点で、今の自分は自分ではないと思う
チッ、やるせない



