零度の華 Ⅰ



「俺達も挨拶してなかったし、丁度良かったかもね」


「じゃ、行こう!!ここから、そんなに遠くはないから」



海から愛川の家へと進路が変わり、そこを目指す


「ここだよー」



一戸建ての家が構える

玄関には愛川の母親が既に出迎えてくれていた

母親を見た瞬間、記憶が螺旋状に回り1つの"答"にたどり着く




「こんにちは、いらっしゃい。蘭から電話をもらって待ちきれなかった」


「もぉー。お母さんったら」



親子の楽しそうな会話が繰り広げられる


誰もが見ても仲の良い親子だと感じる

実際そうなのだが、あたしには愛川蘭が哀れで笑いが込み上げてくる

その笑いを何とか押し殺して、平然と済ました顔を保つ




あたし達は愛川に連れられ部屋に案内された





「じゃあ、紹介するね」





そういって一人一人紹介していき最後にあたし



「2年生のサクラだよ」


「よろしくね。桜ちゃん」




あたしは笑いを堪えることができず、だんだんと大きく笑った