零度の華 Ⅰ



『ねぇ、千尋。時間、大丈夫?』


腕時計に目の移した雲雀


「そろそろ、戻らないといけないな。じゃあ、また会おうね」



席を立つ雲雀に続き、あたしも席を立った


「サクラ?」


『あたし、千尋と一緒に帰るから。今日、倉庫に行けない』


「俺、この後も仕事だけど」


『暇を潰してるよ』



雲雀は呆れたような素振りを見せると移動する



「じゃあ、また、明日ね」


愛川に『うん』と一言だけ言うと雲雀を追いかける


あたしは雲雀の乗る車に乗り込んだ



「"サクラ"の名は本当は気に入っているんじゃないのか?」



不敵な笑みを向ける


『ふざけるな。アイツがつけた名で二度と呼ばれたくない』



雲雀を睨む


「じゃあ、何故、呼ばれている?」


『説明する。まずはここから出たい』



雲雀は車のエンジンを入れると、車を発進させ移動させる