彼女の真実

｢あの母親は本当に何も知らないですよ。娘のことを、あんまり知らない様でしたし。ですが、娘の死を本当に悲しんでいました。そんな彼女に自分の子が恨まれるようなこと子なんて言えないですよ。｣

俺はここでふと浮かんだ疑問をぶつけた。

｢どうして、あの母親が娘のことを可愛がりながらも、恨んでいるとわかったんだ？それに、最後俺が質問しようとした内容も。｣

｢そういう能力なんですよ。それを買われて警察にいるんですから。｣

そういう能力？それを買われて警察に？
超能力者ってことか？

｢超能力かどうかは知らないですけど、まぁそんなもんです。｣

ということは、俺の考えていることや思っていることは筒抜けということか。

｢そういうことです。読まれたくないなら読まないですけど。｣

｢できれば、読まないでくれ。｣

｢わかりました。あと、そのまま帰らずに、私の家によってください。話したいことがあるので。｣

川本の能力の話か捜査の話かどちらかはわからなかったが、とりあえず頷いた。

｢わかった。｣

彼女の指示道理に車を走らせると都内の高層マンションの前に着いた。

おいおい、こんなところに住んでるのかよ。
どんだけ金持ちの家なんだよ。

｢そこの駐車場使ってください。｣

｢ん。｣

言われたとうりに車庫に入れた。

車を降りて鍵をかける。
彼女はさっさと進んでいた。その後を俺も急い追いかける。
エレベーターに乗り込み階数を選択する。
何回あるかは知らないが32階は上のほうだろ。
本当になんなんだこいつ。
こいつの家族もだけど。

｢てか、家に上がっていいのか？ご家族の方びっくりしないか？｣
一応聞いておく。

｢いないので大丈夫です。｣

｢そうか。｣
この時、どっちのいないなのか俺にはわからなかった。両親は共働き、あるいは旅行に行っていて家を開けているのか、それても亡くなっているのか。しかし、それ以上突っ込んだことを聞くのもと思いその質問は心の中で押さえ込んだ。

目的の階に着きエレベーターを降りる。

｢ここです。どうぞ。｣
俺は、促されるままに入った。

｢おじゃまします。｣