「まぁ、彼女は生まれてすぐに実験代にされた訳では無いんだけど...。一応2xxx年計画の一部なんだ。大丈夫、君に何か危害が加わることは絶対にないから。」

そう言うと、どこか悲しい顔をしながら俺に笑顔を向けた。


「わかりました。」

何もわかってはいなかったが、取り敢えず、危害がないなら少し様子を見ようと思った。

どうして、杉本さんはあんなに悲しそうな顔をしたのだろうか。

しかし、この時はまだ深くは考えてはいなかった。

「高橋さん、この事件の亡くなった被害者家族にに話を聞きに行くんで車出してください。」

ん?なんでこんなに偉そうなんだ?
確かに敬語を使っているが、彼女の表情を見れば、偉そうなのは一目瞭然である。

「いいけど、人にものを頼む態度か?それ。」

そう言うと俯く川本。

「いや、頼んでないし。命令してんの。早く!いくよ。」

それだけ言って彼女は、外に出た。

なっ、なんなんだあの態度!
俺の方が年上なのに。

「高橋くん、ごめんね。態度は悪いけど、事件は解決出来る子だから。」

それだけ言って課長は、自分のデスクに戻った。

はぁ〜、取り敢えず、仕事を見てみるか。
そうして、俺は気合いを入れて駐車場に行った。