私は腕につけていた時計をみた。


「動いてないか…」
舌打ちをした





「そっか」
うつむく高橋





「うん」
相変わらず感じの悪い私。


「とりあえずこれでもたべよう」
高橋はそう言いポケットから小さなチョコを二つだした。






「はい!美城ちゃん!」





こんなんでたりるわけないけど…
「あぁ、ありがと」

一応お礼は言おう。





「…。」
カサカサと包み紙からチョコを出し無言で食べていた。



空からマイクを通したようなキーンという音が聞こえた。




『あ〜あ〜きこえてますかぁ?』
嫌味ったらしい声が聞こえた。





もちろん高橋にも聞こえている。

真剣な顔で聞いている。






『みなさんに良いことを教えたいと思います』




良いこと?は?いきなりなんだし





『良いこと?ってなった人いますよね?』

うん。今なったわ。





『前に私がなんて言ったかみなさんは覚えてますか?』



声がわらっている。



『「歪の世界に閉じ込められた「「五人」」
といいました。』