「くっっ、」
ドオオオオオオオオオオンッッッッッッ
時差で銃声が響く。
「爆弾は、ないようね、ホーリア。」
「良かったわ。
それに、私の切り抜けも最高!」
また、思い出してしまった。
あの日の出来事を。
ノアルも、私も。
この爆弾処理の仕事が回ってくる度に、あのことを思い出す。
「こんなことがないように、仕事をしてるのよ。だから、この私が心配しちゃ...」
ぼそっとこぼした言葉につれて、涙がこぼれた。
「ホーリア、元気だして。」
「あ、ホーリアっ!」
「あわわっ、コトール!」
私は、この人の前では涙を流さない。
この人の方が、もっと恐い経験をしているから。
私は、それを思い出させたくない。
だから私は普通でいる。
それが、彼女の幸せであるから。