「…風和がわからない」 どくんっ 胸が嫌な音を立てた 李月君と私の歯車がとまったように―― 今これ以上李月君のそばにいたら きっと涙が止まらない。 私は李月君の手を振りほどいて 資料室を出て廊下を全力で走った 「風和!」 後ろから李月君の声が聞こえるけど 私は振り向かずにただ走った。