「一応窓も見ましたが、ここはマンション6 階ということと、さらに下には多くの人がいる ため、誰にもバレずに遺体を運び出すことは流 石に無理かと」 それは小暮が説明しなくても既にわかってい たことなので、小暮が説明している間もずっと 冴木は思考を巡らせていた。 「動き出す死体、か」 今回も長いヤマになりそうだ、と、冴木は小 さく息を漏らした。