「.....だっせ」
眠たい目をこすりながら階段を降りていると
下から上を見上げている疾風くんと出会った。
「...お、おはよ」
またこれも私のシチュエーションの中であろうと思い
気にせずリビングへ行く
「あら?理沙ちゃんおはよう」
そう優しく話しかけてくれる疾風くんママ
「おはよ〜......」
「理沙ちゃんママからね、理沙ちゃんは親子丼が大好きって
聞いたからおばちゃん作ってきたのよかったら食べて?」
と湯気が立ち上ったお皿を机に置いてくれる疾風くんまま
疾風くんママの印象はとにかく美人だ
わたしのお母さんも負けてないぐらい美人だけど
本当に綺麗だった
「いただきま〜す!!!」
私は口いっぱい大きく広げ
スプーンを口に運ぶ
「お、、、、美味しい〜!!!!!!」
あまりの美味しさに叫んでしまった
「あら?本当?よかったわ、喜んでくれて!」
手を合わせながら微笑む疾風くんママ
「お母さんより美味しいよ!」
とあの頃の私は気遣いの言葉のかけらもなかった

