「イケメンと聞いたら、女子は黙ってないってことね」
 

様子をみた汐莉は納得した顔をして、手元のスマホを弄り始める。


「そーゆーことだよね。あぁ、やっと本気で打ち合える人が見つかると思ったのに…」

「陽向はテニス好きだもんね。私もバイトばかりでテニス顔出せてないし、同期は私以外初心者だからねぇ」

「ホントだよー、汐莉、全然来てくれないんだもんさぁ」

ため息一つついて、手元のグラスをまたグビッと飲み干す。
そして、改めてイケメンに群れる女子を視界に入れた。


はぁ。ほんと、この調子じゃあ、テニスをやりたい子なんて、ほんの一握りに違いないわ。
でも、まぁ。皆が皆、イケメン狙いで来てる訳じゃないし、とりあえず新入生と会話して、テニスの話とか聞いてこようかな。