彼から受け取ったマグカップの紅茶を一口含む。


「あったかい…」


紅茶を飲んで、少し心を落ち着かせた私は、ソファーの側にあるテーブルの椅子に座る彼を見る。
彼は珈琲を片手に、スマホに視線を落としている。
その様子を見ていた私に気づいたのか、彼がこちらに視線を向けた。


「落ち着きました?」

「少しだけ…」

「よかったです。なんか、さっきはすごく動揺してて、いつ変態と言われてもおかしくなかったですから」

「…そうだよ…あなたは誰?おとなりさんって何?それに、なんで私がここにいるの?」


彼には聞きたいことが山ほどありすぎて、質問攻めしてしまう。その質問攻めに彼はクスッと笑みを浮かべ、頬にえくぼを作る。


「え、なに?なんで笑うの?」

「いや、すみません。質問攻めすぎて…一個ずつ答えますから」