おとぎ





私は、秀ちゃんの呼吸器を外して

そっとキスをした。


「最高の・・魔法だよ・・。」


バカ。

王子様になるんでしょ?

また目ぇ瞑るなんて事、しないでよ。

私が立とうとすると、手を掴まれた。


そのまま、秀ちゃんは息をひきとった。

あの時、私に何を伝えたかったのかなあ?


“なぁ、俺がその星になったら悲しい?”

いつか、そんな事言ったよね?

悲しくなんか、ないよ。

秀ちゃんの生きた証は、確かにあるんだ。

この絵本にだって、

私の心にだって生きてる。


たったひとつのおとぎ話の王子様。

ずっとずっとずーっと、

生き続ける。


私の大好きな、王子様。