当時、カラオケ合コンに参加していた友達みんなから意味がわからないと言われた。

否定はしない。
わたしだって、いまだによく意味がわかっていない。


あのときは確かに、一晩だけ遊ぶつもりだったのだ。わたしのこと嫌じゃないみたいだったし、たまには毛色の違うタイプの男もいいかと思って。

あまり深くは考えずに。……だけど。


「……気の毒もなにも、告白してきたの、あっちだからね」


身体を重ねて、言葉を交わして、カラオケのときよりもほんの少し打ち解けて。
一緒に寝て、起きて、次の日の朝。
ベッドの上に正座した彼は、目をこすりながら欠伸をするわたしに絞り出すような声で言った。



――俺と付き合ってください、と。




「責任感じちゃったんでしょーよ。真面目そうだったし」

「それで付き合うにしてもまだ続いてるっていうのが意外すぎる。最長でしょ?」

「最長というか、大地以外まともに付き合ったことある人いない」

「え、なにそれ泣ける……」


彼と付き合い始めて、男遊びからはきれいさっぱり足を洗った。最初は他校だしどうせすぐに別れるから気にしなくていいと思っていたけれど、彼と接しているうちにそうしないといけないような気持ちになったのだ。
我ながら涙を誘う話ではあると思う。


なんだろうか。自分でもよくわからない。


彼の何が、わたしを変えたのか。