私は、くっと喉から無理やり次の言葉を引き出す。 「ハル君は…さ。〝まだ高校にいたい〟って思ったりしないの…?」 いつもは元気な私が急に大人しくなったからか、 不思議そうな顔をしつつ、ハル君は答えた。 「んー…思わない、かな」 「そ、か」 かろうじて出た声はさっきよりも小さく、か細かった。 肩から掛けた鞄の紐に少しだけ、皺が寄る。 「っと、着いたね。陽菜ちゃん、また明日」 「うん。ハル君、また明日…」 私を門の前まで送って、ハル君はすぐ隣の玄関に軽やかに入っていった。