*港side*




「なにも怖くないでしょ」


「…わかってるけど」


「手、ブルブルじゃん」


「んふ…」




待合室で怯える陽の背中を擦っていると、意外と待たずに名前が呼ばれた。




「港も来て…?」


「いや、一人がいいと思うけど」


「…」


「なんかあったら行くから」


「…わかった」