「季蛍」



高島先生が帰宅して数時間後、リビングで仕事をしていたら。


寝室の扉が開いていて、蒼が起きてきた。




「水」





消えかけた声を発する蒼に、ペットボトルの飲み物を渡す。





「…蒼、」


背伸びをして額に手を触れると、まだ熱い。





「大丈夫?」


「…だいじょぶ。悪い、寝る」






おぼつかない足元で、寝室へ戻って行った。