*季蛍side* 「だいじょーぶ?」 毛布に体を包み、震える蒼に声を掛ける。 「あぁ」 力のない声が聞こえる。 「なにか欲しいものある?」 「……。氷」 「氷…?」 それ以上何も言わずに眠ってしまいそうだったので、キッチンへ氷を取りに行った。 「持ってきた」 「…ありがと」 体を起こした蒼は、その氷を口の中に入れた。 「何も食べないの?」 「…食事はいらない」 蒼のこんなに弱った姿、久しぶりに見た…。