隣の席の瀧くん




まるで友達のようなお母さん。




「ありがとう、お母さん」


「はいはい、

そろそろ出ないとマズイんじゃない?」




時計を見ると9時28分を指していた。




「やばっ、

ちょーギリギリ!もう家の前にいるかも!行ってくるね、お母さん」


「今度紹介しなさいよ〜」


「はいはい〜」




メイク、髪、服、完璧だよね。



よし。





ガチャと家の扉を開けると、








「あ、やっと来ました」



と、こちらを見るあたしの大好きな人。


…キュン






「遅くなってごめんね」


「どうせ遅刻したのでは?」


「なっ、何故?!」


「ふ、やっぱり。

一ノ瀬さんのことだから遅刻しそうだな、って思ってたんです。」


「でもちゃんと30分には家出たもん!そんなに遅刻じゃなくない?!」


「はいはい、そうですね。

ではもう駅に行きますよ」





そう言って歩き出す瀧くん。


あたしはその後ろをついて行く。